10年越しの思いを見据えて・・・

『人生に必要なのは、勇気と創造力、そしてほんのちょっとのお金。』 Byチャールズ・チャップリン

 10年前、中学3年の頃の私の心を、つかんだ言葉。

 なんだ、私、こういうふうに生きてるじゃん・・・2009年は、これを、人に伝えられるように動こう。

 世界が、少しでも美しくなるように。人々が、少しでも、人生の美しさを味わえるように・・・それが、私の仕事。


ららら・・・今年の抱負・・・

キーワードは・・・We are born to be Creative! 

 10年前のお正月・・・こんな年賀状をつくりました。 

 「星の王子さま」や、「ブラック・ジャック」、「チャップリン」、「黒澤明」、「妖精」、「もののけ姫のサン」「耳をすませば」・・・その頃、私が傾倒していたものを、ちりばめて・・・

 あれ・・・ちょっとした詩をのせたけど、それは、忘れちゃった。

 真ん中には、「星の王子さま」の冒頭の絵。そして、その下に、こう描きました。

 Can you imagine what I am?

 その頃の私は、とても苦しかった。サン・テグジュペリの『星の王子さま』を、読んで、すっかり打ちのめされていました。

 どうして、私は、こんなに貧しい大人になってしまったんだろう?私は、大切なものを見失ってしまった・・・見えないものの美しさを感じられない大人になってしまった・・・想像することさえ、私にはできない・・・こんな自分なんて、大嫌い!!

 少女の潔癖です。自分の汚さや醜さを、嫌悪して嫌悪して・・・もう、何かにつけて、泣きまくっていました。

 授業中も、国語便覧を見て、作家や、詩人の略歴を読み、詩を読み、あらすじを読み、ぼ〜ぼ〜泣いていました。そして、ノートに、詩をかいたり、絵をかいたりしていました。自己陶酔かなにか・・・とにかく、授業中は、逃避の時間でした。自分と向き合うための。あの時間も、自分を獲得するために、大事な時間やった・・・、一斉授業だからこそ、私は、こっそり、遠くの世界に旅立つことができたのかもしれません・・・空想少女。まわりからみたら、結構怪しかったみたい。しかも、よく寝てたし。

 そんなこんなで、「星の王子さま」や、「ブラック・ジャック」や、「黒澤明」や、「チャップリン」や、「もののけ姫のサン」や、「妖精」や、「耳をすませば」・・・というのは、私の憧れでした。汚れてしまった自分が、彼らと出会うことで、生き返れる気がした。それでも、このまま生きていていいといわれるような気がした。
 
 「それでも人生は素晴らしい」と思うようになったのも、この頃です。

 今の自分の核が、間違いなく、15歳の頃にある。

 10年前のお正月・・・1999年でした。世紀末。不安定でした。でも、その不安定さを愛してもいました。

 と、ここまで書いて、あんまり伝わりませんね・・・

 簡潔にかけば、15歳の私が、もっとも欲したのが、「想像力」と「創造力」だったのです。それから、10年来、今の今まで、私が、欲しているものでもあります。

 子どもの頃に持っていたものを、失ってしまった・・・と、その頃の私は思いました。

 それは、教育のせいだ・・・とも、なんとなく思っていました。親のせいだとも思っていたし、社会のせいだ・・・とも思っていました。

 でも、何より、自分のせいだと思っていました。自分が、自分を、こんなに醜くしたのだ・・・と。嫌悪の矛先は、自分でした。

 しかし、時がたてば、わかります。自分が自分をそうしたのではなく、周囲の環境によって、そうなっていったのだと・・・。

 いまだに、私は、このことを考え続けています。どうして、人は、創造性を失っていくのか?

 中学の頃から、考え続けた問題が、まさか、自分が教育者として生きる上での、追求していくテーマになるとは、思いもしませんでした。

 でも、私が、即興ダンスや、インプロをするのも、全部、その、中学の頃の、絶望がスタートなのです。

 教師になったのも・・・中学の頃、理解者がほしかった欲求が発展して・・・という部分も少なからず、あります。これは、すべてではない。

 さあ、2009年!!!

私が、中学3年の頃、自分や、大人にがっかりした経験をもとに、クリエイティブな生き方や、教育について、考え、行動していきたいと思います。それが、かつての自分が感じた苦しみを、ポジティブな方法で、還元すること。

 10年かかりました。でも、今年、やっと、思い扉が開きそうよ!あの頃の自分は、まだ生きているけれど・・・あなたのおかげで、私、ここまでたどり着きました。親愛なる、かつての私。

 10年前と、なんらかわらない私がいるよ。でも、10年前のあなたより、ずっと、生きやすいよ。そんなふうになるなんて、想像さえ、できなかったのにね。

 さてさて、2009年をちょっと見据えてみたいと思います。

☆去年できたことで、今年、更に発展させたいこと。
☆去年できなかったことで、今年はやりたいこと。

クリアーにするために、書いてみよう。

〜学校編〜
○ゲストを招いた授業や企画のプロデュース(日本舞踊公演・芸大生との図工の授業・AETとのクリスマスパーティー

・何かをしてもらうのではなく、一緒にお互いの思いやアイデアを擦り合わせながら創作することが大事。
・1回限りのものでなく、継続的なものに。遊びと学びの深いつながりを大切に。わからないことの大切さを意識しつつ、わかりやすさを意識して取り組む。
・「ゲスト」「子ども」「教師」のそれぞれが、よかった!といえるようなプロジェクトにしていくこと。
・今年は、助成申請をして、経費がもらえるようにすること。
・学校の先生達と、チームで取り組むこと。

○子どもも私も、質の高い自然体でいられる時間を、できるだけ長く!

・創造的であれ。Be Creative!
・スポンテニュアスであれ。Be Spontaneous!
・互いを尊べ!Be Respectful!

○学んだことを、落とし込む。

・運動会のダンスで、詩・即興ダンス・音楽・パフォーマンス・・・と格闘できた。
・図工の研究会に東京まで行って、価値観が変わって、それが指導の変化となった。

○新しい英語活動を創っていく!

・AETと、「しなリレ」でタイアップしながら、企画を創ることができた。これを、学校現場に応用できるようなものにしていきたい!

○自分の中に、「創造」という科目ができた。私は、その科目の教師になります。


〜プライベート編〜

・大学のとき以来、行けてなかった海外旅行に2回行くことができた。モンゴルとイギリス。特に、モンゴルでの学びと出会いが、帰国後、大活躍した!まだまだ、バックパックで、ゴージャスではないけれど、心豊かな旅をしたい。

・教育系の研修は、自分が行きたいと思う程度にはいけた。今年は、教育そのものではなくて、教育につながるものにもっと、たくさん行こうと思う。自分の中でつながればいい。

・ダンスをあまりできなかったので、定期レッスンに通う。もう、身体が硬くなってきてて、心や頭まで硬くなりそうで、怖い。

・子どものためのワークショップを、引き続き、のぞきにいこう。バックグランドを、思い描きながら。授業のヒントをもらいながら。

〜しなリレ編〜

・英語インプロという、新しいフィールドへの挑戦ができた!
・劇作りの回で、教育の未来が見えた!
京丹後市での開催も出来て、念願かなった。参加者は、少なかったけれど・・・これは、丹後の課題かなあ・・・。
・すぅさんと、私のコンビネーションが、とってもいい!すぅさん、ありがとう〜!!笑
・参加者のみなさんの熱意とあたたかさのおかげで、10回記念迎えられました。いつも、ありがとうございます♪♪

・もっと深めていきたいテーマを、追求できるよう、シリーズ化する。
ファシリテーションについても学びながら、実際に、「しなリレ・メンバーズ」で開催するワークショップを!
・大切にしたいのは、人生を楽しむ教員になりましょう・・・ということなんだろう。それが、子どもたちのためになるから。私たちは、何かを学ぶとき、その「人」を通して、学ぶのであるから・・・。互いに磨き合いたい。
・「Art of Life研究所」や、「六館堂」という、そこを所有する人の感性と空気を感じられる場所を提供していただけたことが、とても素晴らしかった。もう、公民館ではできない・・・と思ってしまいます。それほど、その「場所」が持つ力は、偉大だ。ワークショップにおける、「環境」の重要性。

〜そのた、いろいろ編〜

○日本を旅する。

・北海道の三浦綾子記念館
・静岡のねむの木学園

 とりあえず、今行きたいのは、この2つ。

○アート鑑賞

・今年もダンス、演劇、音楽、ライブ、ミュージアム・・・劇団四季からライブハウスまで・・・いっぱい行けた。
 ちなみに、今年一番、衝撃を受けたのは、木屋町UrBANGUILDで観た「きたまり」さん。来年も、自分の脳みそを、打ち抜いてくれるパフォーマンスを観にいきたい!もちろん、現実逃避、または現実の美しさに気づかせてくれるものにも・・・。

○踊り手として

・今年は、べにちゃんに声をかけてもらって、カフェ・コモンズで踊れた。
・「たゆたう」のイガキさんに声をかけてもらって、「,G」と、即興のパフォーマンスをさせてもらった。しかも、2回も。「踊る美術家」の伊波晋さんと踊れた!
・即興でのパフォーマンスは、初めてだったので、めっちゃ緊張したけど・・・楽しかった!貴重な機会を与えてもらって、感謝・感謝・・・もっと、自分が踊り手として充実できるよう、トレーニングしなきゃ・・・って思った。

○ブログを書く

・「はてなダイアリー」にして、ちょっと現実感漂いすぎる日記になった。
・もっと、深く思考したり、感じたりできる人でありたい。
レッツノートを買ったので、もう少し、頻繁に、思ったことを文章にしたいと思う。

○本を読む

・いろんなひとのブログの影響で、いろんな種類の本を読むことがおもしろくなった。社会起業の本や、ビジネス本のおもしろさを、今年は知ることができた。
・やっぱり、「えくに〜ず」でした。江國香織さんのおかげで、私の身体は、新たなセンサーと、世界の見方、感じ方を手に入れ、どんどん自由になる。

○自分の体と、地球のためにいいことを、少しずつ・・・

・かわいい道具で、エコ気分が盛り上がったおかげで。笑 MY箸、KYOTO限定タンブラー、エコバック等など・・・デザインは偉大だ。
・今年も、エアコンのない家で、のりきった!しかし、今年の暑さには、正直、参った・・・。

○Rock the boat!!・・・ね!



 i-pod でサントラを聴きながら、余韻にひたってユースへ帰宅。もう、日本に帰ってもいいな、と素直に思えました。もう、十分、満足しました。ロンドン、ありがとう!

 
 今回のドリームコンサートでは、子ども達が作曲家になって、楽譜をかいている。

 その楽譜を、野村誠さん、林加奈さん、ヒュー・ナンキヴェルさんの3名の音楽家が演奏する。活動のメインは、小グループでの、作曲活動だった。

 ひとつひとつの曲の作曲の仕方が本当にユニーク。俳句を作ったり、絵を描いたり、すごろくを作ったり、絵を解読したり。それが、全部音楽になっちゃう。

 誰もが創造的になれる環境が保障されている。そして、出てきた作品の芸術性を、信じておられる。

 この二つのことは、「子どものありのままの素晴らしさを信じる」ゆえだと思う。

 私達教師は、子どもを尊重しているように思えて、人権無視していることがたくさんある。
 
 私達教師は、子ども達の能力を、自分で理解できているように勘違いしていることがたくさんある。

 プロの音楽家の3人が、子ども達から音楽を引き出す。

 彼らが、ストレスなく、より自分達らしくふるまいながら、でも、楽しく創作してできたもの。

 それらは、どれもこれも、なんともいえない美しさのある音楽ばかりだった。

 6年生の子ども達。彼らの中を、こんなにも美しい音楽が流れている。

 そのことに、私は3名の音楽家とのワークショップがなければ、気づくことはなかっただろう。

 そうして、みんな歌を忘れていくのかもしれない。自分の内を流れる音楽に、無意識になっていくのかもしれない。

 本当に、幸せな時間を過ごしています。

 いよいよ本日。ドリームコンサート!

 心から、みなさんのお越しをお待ちしています!

 
『ドリームコンサート ファイナル〜ひらもり版ホエールトーン・オペラ』

時 :2009年1月24日(土)13時半 開場/14時 開演

場所:宇治市立平盛小学校 体育館 

http://www.uji.ed.jp/hiramori-es/

内容:第?部 アーティストによるミニコンサート

   第?部 トーク『ワークショップをふりかえって』

   第?部 『ひらもり版ホエールトーン・オペラ』上演

※入場無料※

なお、1月20日〜23日は、毎日音楽家と子ども達による、ワークショップを行っています。もし、子どもとアーティストの共同創作の現場を見学したいという方は、メールで連絡ください! (藤原 kaicook@gmail.com

☆アーティスト紹介☆

Hugh Nankivell(ヒュー・ナンキヴェル)音楽家

シティ大学を首席で卒業後、ハダスフィールド大学大学院修了。ロイヤル・リパブリック・オーケストラを始め様々な演奏家のために作曲。ロック、ジャズ、民族音楽などを取り入れた自身のユニット「Natural Causes」でのライブ活動。2006年Critics' Awards for Theatre in Scotland音楽部門の最優秀賞受賞。これまでに300校を超える学校で、創作に重点を置いた音楽プロジェクトを行っている。

野村誠(のむらまこと)音楽家 

イギリス、ヨーロッパ、アジアなど各地のフェスティバルに招聘される。著書、CD多数。第1回アサヒビール芸術賞受賞。 NHK教育テレビ「あいのて」を音楽監修し、赤のあいてのさんとしてレギュラー出演する。http://d.hatena.ne.jp/makotonomura/

林加奈 音楽家・美術家

おもちゃ楽器演奏家。鍵盤ハーモニカ・オーケストラ「Pーブロッ」メンバー。著書に「音・リズム・からだ」(民衆社)。画家でもあり、最近は絶叫する紙芝居パフォーマンスも行っている。http://blog.goo.ne.jp/kananagano

 ・・・以下は、私(キューピー)が、ドリームコンサートの魅力とこれからについて語った論文からの抜粋です・・・