仮想対談のモデリング授業、随筆の推敲、校内研究授業、事後研、ミーティング…ひとつひとつ大切な時間。
計算は、コンピュータですればいいって君は言うけど、
本当に大事な計算は、鉛筆でも、そろばんでも、コンピュータでもできないんだ。
わたしの今日という日は、計算ミスであったかもしれないし、でも、遠い未来にどこかで帳尻が合うのかもしれない。
わからないんだ。
泣きたくてもうまく泣けない日のように、
はっきり答えが出ないんだ。
石川さんから、新しく出版された本を送っていただく。
- 作者: 小寺卓矢,石川晋,石川学級41名の生徒たち
- 出版社/メーカー: 学事出版
- 発売日: 2016/12/08
- メディア: 単行本
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この本の構想を聞いた時から私の頭の片隅にあったのは、2012年に送ってもらった、
石川学級の生徒さんらによる写真集「いちばんふかいところにあるいろ」のことだった。
今日、新刊を読みながら、どうしても前の写真集が読みたくなり、本棚から探し当てる。
この写真集を、私は、真冬の大学寮の部屋に座り込み、読んだ。
あれから5年。
当時送った感想メールを読み返す。
・・・・・2012/1/28
昨日、写真集を受け取りました。
上士幌の学校、町並み、教室、生徒さんの写真であるのに、なぜか、とても懐かしい気持ちでいっぱいになりました。中学3年生の、あの頃に、引き戻されたようでした。写真のとり方のレクチャーをするのではなく、撮った写真を語る、という小寺さんの授業の話には、心うたれます。
デジカメや携帯の普及で、写真は手軽なものになりましたが、こうして写真集に載せる1枚にたどりつくには、生徒さんの間にいくつもの対話や選択、思考、決断があったのだろうと思います。
自分の進路を選び、人生という物語を描いていくことと、1枚の写真を表現していくことは、深くつながっているように思えます。
どんな形になるかはわかりませんが、この写真集が、私の未来にも、つながる予感がしています。ありがとうございました。
・・・・・
今、このメールで書いた「未来」にわたしはいる。
本の感想は、その未来と、過去を行ったり来たりしながらしか書けそうもない。
1冊の本は、ただそのものとしてあるのではなく、長く、たくさんの人の写ることのなかった歴史と共にある。
写真に写っているもの、それを見る人、そこに写し出されるものが読み手によって異なるように、
自分を切り離して何かを見ることなどできないのだと思う。
晋さん、
少し時間がかかりますが、
ちゃんと感想を書きます。
私がほんの少し、未来に進むために。