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2016summerというプレイリストをつくる。
実家に帰る途中に聴くために。
これを、1回半再生すれば、家に着くはずだよ。



新しい音楽があるわけじゃない。
ずっと聴いてきた、馴染みの曲ばかり。
その曲を聴けば、思い出す景色があり、言葉があり、暗闇があり、光がある。
どこにもいけない。でも、どこにもいかなくてもいい。
アドレスは、音楽の中にある。
14の私も、17の私も、20の私も、31の私も、そこにいる。




飛ぶ教室』を読む。
又吉さんが、「どこかに向かってるんじゃない」「日帰りだ」って言ってて、ああ、なるほどなって思う。
私も、どこかに向かっているんじゃない。特に、ここ数年は、そういう感覚はない。



夕方、遅い時間から学校に出かけて行って、のろのろ仕事をする。
誰もいない職員室。
日が暮れると蛙の鳴き声が聞こえてくる。
夏が来る。
外に出ると、初夏のはしっこの匂いがする。
このまま外にいたとしても、凍えることはないし、わりとすぐに朝がくる。
初夏の匂いの安心感。
必ず朝が来るという、そういう匂い。



去年の連休の写真。
実家のどんよりと曇った空の下、いつもの散歩道をずっと歩いた。
今年は、どんな表情をするだろう。