ロームシアター京都ノースホール。初めて行く。
三連休の京都はすごい人で、着物姿の人もたくさんいて、見とれる。
チェルフィッチュ『部屋に流れる時間の旅』。
http://kyoto-ex.jp/2016/program/chelfitsch/
「おぼえてるでしょ? 」
この台詞にぐわりとからだじゅうを持っていかれてしまった。
「おぼえてるでしょ?」
この問いに、うまく答えられはしない、彼は。
そのかなしみ。
彼女は問い続ける。
だまりこむ。
ポスト・パフォーマンストークの中で、彼女は、彼自身が作り出しているものだ、という解釈が語られて、
ああ、そうか、と思う。
あれは彼女であり、彼の中にあり続ける彼女であり。
からだじゅうを持っていかれる、いいお芝居だった。
戯曲が掲載されている雑誌を買って帰ってくる。
声に出して読んでみて、涙ぐみ。
忘れること、覚えていること、時が止まること、歩き出すことの物語。
それは、絶えず、わたしたちの暮らしの中にある。練習として、本番として。
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2016/03/07
- メディア: 雑誌
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わたしはわりと、色んなことをよく覚えている方で。
そのことは、多くの場合、悲しいことだ。
だから、「おぼえてるでしょ?」とは聞かない。
「おぼえてるでしょ?」というのは、もっと、別のことが言いたいのだと思う。
その別のことがうまく考えつかなくて、
ずっと、なんだろう、なんだろうって考えながらお芝居を観た。