春分


夕方から市内まで出かける。
ちょうど1ヶ月ぶりに電車、バスに乗った。
この1ヶ月は遠くに全然行かずに、家で引きこもっていたということ。
家は落ち着く。


クラスの子が能の囃子方(小鼓)を習っていて、その発表会があるというので四条まで聴きに行く。
この子とは、特別にいろんな思い出がある。
抜群の芸術的センス、感性を持つ子だが、生き辛さ、理解されにくさもある。
彼といっぱい泣いた1年だった。
たくさん手で会話した1年だった。
一緒に踊り、歌い、演じ、描き、楽しかったね。



神舞。
とても緊張していたが、凛とした発表。
立ち姿が美しい。
ああ、大人になっていくんだな、と思う時間だった。
小鼓と出会えてよかったね。
お母さんにありがとう、だね。
君らしい人生のリズムを、刻んでいってね。



その後、ジュンク堂へ。
教育書コーナーに行き、いくつか本を手にとってみるものの、結局、買わず。
家で積まれたままの本のことを思い出す。
来週、先生たちに欲しい本のアンケートとらなきゃ。
それにしても、本って、なんのためにあるんだっけ、と、ふと考えてしまったり。
小説を読みながら帰ってくる。
名前のない感覚を名付け、どこにあるかわからない感情を見つけ、自分のものではない物語に親近感を覚えさせる、そういう本を読みながら、私が読みたくて心動かされるのは、こういう本だと。こどもとの関わりのヒントになるのも、今は、こういう本かもしれない。