循環

映像編集のために、しばらくぶりにこどもたちの学習発表会での合奏Sing,Sing,Singと合唱Oh Happy Dayの映像を観る。
なんていうか、とてもすてき。
今年の学年の子たちは、音楽好きが多いというか、のりがいいというか、勘がいいというか、
とにかく合奏、歌、表現を楽しむ姿が見ていて気持ち良かった。
もちろん、得意・苦手や好き嫌いもあるのだけれど、それも含めて、見ていておもしろい。


昨日、金曜日は初めて卒業式の呼びかけと歌2曲「あなたへ」「旅立ちの日に」を通した。
びっくりするほどすてきで、もう、来週はあまり練習しない方がいいね、ということに。
音程とか、ハーモニーとか、色々練習しようと思えばできるのだろうけれど、エネルギーが伝わってきて、もう何も言えないような気持ちになってしまった。


放課後、隣のクラスの男子たちが、映像をとらせてほしい、ということでやってくる。
彼らは、体育館や運動場での授業では、マイクやアンプ、ピアノ、デッキの配線などのセッティングをすべてやってくれるPAボーイズなのだ。
私が体育館に行くと、「先生、マイク」と言って、渡してくれる。
練習が終わったら、手分けしてコードを巻いて、倉庫への片付けを手伝ってくれる。
頼んだわけではないのに、運動会の練習の頃から、進んで楽しんでやってくれるのだ。
撮影や映像編集も大好きで、こうして放課後にはマイカメラやiPadを持ってやってくる。
本当に、頼もしい人たち。
「先生、この曲、わかる?」と、iPadから聴かせてくれた曲は、アレンジされたsing,sing,singだった。
sing,sing,singを学習発表会の曲としてではなく、自分たちの生活のための音楽として楽しんでいるということに感激する。


この1年は、私自身が音楽に恵まれた年で、音楽を通してこどもたちと豊かな時間を過ごせた1年だったと思う。
幸せな1年だった。


循環。
この1年を表す言葉。

私が栄養として取り入れ、吸収したものを、今度はこどもたちの栄養となるように届け、こどもたちがまた吸収し、そのエネルギーを私もまた受け取る。音楽が作り手と聴き手の間を循環するように、こどもたちと私も、またそのような関係にあったと思う。