思い出す、葛藤とワルツ


youtubeに2015-16冬の再生リストをつくる。
いい音楽にたくさん出会うと、
こんな感情があったんだね、と気づくように、色づき、広がるこころ。
今年は、いい音楽にたくさん出会えた年でした。
それでいいのだ。




2015年は、女性singerばかり聴いていたけれど、
青葉市子さんが最後かな。


来年も、いい音楽に出会えますように。
そして、音楽に動くこころでありますように。





中学生の頃から、友人の誕生日に贈る言葉は、ずっと同じだった。

「辛い時でも、あなたを救う音楽や言葉、景色がそばにありますように。」

誰も、その人を救うことなどできず。
ただ、音楽や、文章や、景色しか、救えないんだと、そう思っていた。
今でも、そう思う。


クリスマス。
京都劇場で、桧垣バレエ団のくるみわり人形を観る。
昨年担任した子が踊るねずみちゃんも、ボンボンも、とても可愛かった。


「花のワルツ」を聴きながら、高一の頃、初めの演奏会で演奏した楽曲であることを思い出す。
雨が降っていた。
指揮は、クラシックが大好きなトランペット奏者の先生だった。
私は部活を辞めることを真剣に考えていた。
そのワルツに連れ去ってほしいような憂鬱な気分の日々だった。
それでも、音楽に救われていたんだろう。



顧問の二人の先生。
クラシックが好きな先生と、マーチングの指導に情熱を傾ける先生。
二人の先生の間で揺れたこと。
マーチングが軍隊由来の表現であることに葛藤したこと。
マーチングは本当の音楽じゃない、と言われ傷ついたこと。
先生が好きだというアーミーコレクションにドン引きしたこと。
高校生の頃の色んな葛藤を思い出しながら。
それでも、一番大事なのは、自分のこころが動くかどうか、だったね。
本当の、ってなんだろうって、ずっと思っていた。
本当の。
本当の、を手に入れたかった。
でも、どこにもなかったよ。
手に入れた気もしたけれど。



明日は、高校演劇の近畿大会に行く。
5年前担任した卒業生が主役を演じるという。
彼女にも、そんな葛藤があるんだろうか。
きっと、あるんだろう。
そして、そんな葛藤を包み込み、吹き飛ばすような舞台なのだろうと思う。