「3っていうのは、神秘の数字なのよ」

「果てない宇宙で
 今日も夢を見た
 星も瞬たかぬ
 黒い闇の中で」(『3びきのくま』作詞:大貫妙子 作曲:坂本龍一 )




冬の空気によく合う、この人の声。
灯火のような懐かしさ、あたたかさ。
なんだか知らないけど、泣けてくる。



美味しい日本酒飲んでロシア映画を観ていたら、眠りに落ちて泣きたいような夢を見ていた。
母も私も混乱していた。
夢の中で、ずいぶん心は壊れたと思う。
現実でないだけいいのかな。
サンタクロースも、随分、残酷な贈り物を選ぶ。
でも、知っている。
夢は、人の心が見せるもの。
それは結局、私自身が描いたものでしかない。





ああ、壊れる、と思いながら、そのままにしていることがよくある。
ああ、ガス欠するな、と思いながら走り続けてガス欠したりとか。
遅刻するってわかってて、朝起きられなかったり。
ブロークン・ウインドウ理論も真っ青の、危機意識のなさ、なのだ。
先日の、子どもの喧嘩も、防げたのかもしれない。
でも、私はそうしなかった。
壊れゆく光景をスローモーションで眺めてしまう。
この選択の根底にあるものは何だろう。
選択ですら、ないのかもしれない。
消極的に、しかし、選ばれているに違いない出来事を生み出す私が、どこから来たか、わからない。



そして、結局30分くらいしか観られなかったこのロシア映画は、どこにいくんだろう。
延滞するなーって思いながら、延滞するくらいなら、今回は、返そう。



「3っていうのは、神秘の数字なのよ。」
映画の中で、二人子どものいる女性に向かって、ある女性が言った。
もう一人、子どもを産むようにと。



『3びきのくま』も、3だね。


おやすみなさい。