青い部屋

エクレアを買う。
とある小説に印象的に登場していて、それ以来、わたしの中で存在感を増した食べ物。
特別に好きでもなく、どちらかといえばシュークリームの方が好きなのだけれど。
ストーリーの影響力、お見事。


どっちでもいいことって、たくさんあるんだ。
どっちでもいいけれど、なんとなく習慣で、そっちを選んでいる。
それを変えてみるっていうだけ。
そのきっかけは、憧れだったり、好きだったり、すてきだったりする。


自分と世界との出会い方の間に、物語やエピソードや憧れを咬ませる。
理由は、すてきな方がいいから。
本当は、理由なんて、いらないけれど。



色んなことがひと段落し、家にこもって、じっとする。
それから冬支度も。
絨毯を敷く。
ストーブの匂い。
絨毯の座り心地。
昼間なのに暗い空。
葉のない木の枝。
そして、1年分の音楽を聴く。


結局、全部、自分のものなのだ。


文明の道具の隙間からこぼれる光が美しく。


消そうとしているのか、
見ようとしているのか、
見ないでおこうとしているのか、
確かめようとしているのか。


気づけば部屋は青い絵ばかり。
青は、自分を映し出す色だと思う。
そして、青にも、色んな青がある。
色んな深さや広がりがある。
もう少し、がんばれ、と、
つぶやく秋と冬の間。


観たい映画が色々あるね。