幸せな記憶


ぽかぽか陽気。
実家の玄関に母が飾った秋の花。
風船唐綿の不思議な存在感。


玄関には林明子さんの絵も飾ってあった。
母が好きで、私もその影響をしっかり受けている。
一緒に原画展にも足を運んだ。

ぶどうとこどもたち。
林さんの絵は、秋と冬の幸せな記憶を思い出させる絵だ。私にとっては。


子どもの頃、この人の描く秋の絵を見ると、私もその生活を経験したかのように思えた。
「こんとあき」も、「きょうはなんのひ?」も、「あさえとちいさいいもうと」も、「はじめてのおつかい」も、「もりのかくれんぼう」も、「びゅんびゅんごまがまわったら」も、「ふたつのいちご」も・・・その絵本の中に入りたかった。
そんな幸せの中に、いてみたかった。
その願いを、絵本を読んでいる時だけは、かなえられたかのようだった。
「きょうはなんのひ?」ごっこは、実際にやってみた。
絵本の世界の追体験は、大好きな遊びだった。
林さんの絵は、幸せな記憶があることの意味をしみじみ教えてくれる。



夜は仕事もかねて音楽を探すように聴く。


音楽座。リトルプリンス。
11月の京都公演。とても楽しみ。

12月は自森の音楽祭。楽しみ楽しみ。