目に見える、あるいは見えない意思、経緯、出会いが交錯するとき。

土曜日に運動会がとてもいいお天気の下、終了。
4回目の6年担任ということで、4回目の組体操だった。

今回は「安全第一」「時間制限」が設けられたことで、ある意味とてもシンプルに、教員サイドにもこどもにも負荷をかけすぎずに取り組みを進めることができ、結果としてとてもいいものになったと思う。また、「より高く」「より大きな」「よりダイナミックな」という感動の呪縛から、公の理解の下解き放たれたことで、演出や構成で勝負できるようになり、それもいい流れだった。


ミュージカルWSでの経験、ダンスの経験とともに、2007年に宇治の平盛小学校で糸井登先生とつくった組体操が今回のベースにあった。あの時も、「見たことのない組体操を」と言いながら二人で取り組んだが、今回も、こどもたちの姿に「感動した」という声とともに、「組体操の新しい形を見た」という声をたくさんいただいて嬉しかった。


今回の作品の大きなテーマは、ライオンキングということで、Circle of Life。こどもたちにも、自分の中に流れる「つながり」を何度となく問いかけた。


一方で、私にとって、今回の組体操は、自分とドラマとの出会いがあり、その学びをこどもに伝えていくという「つながり」、そして、初任・2年目と、私の教員としての人生に大きな意味を持つ糸井先生との出会いという「つながり」が脈々と流れていたことを改めて感じた。

さらに、2009年の夏に参加したダンス・ワークショップでたまたま出会ったMaxに組体操Tシャツのデザインを依頼し、とてもすてきなTシャツに仕上がった。彼はフランス在住の漫画家で、時に世界を旅しながら絵や漫画を描いている。彼に依頼するのは2度目だが、この不思議なつながりにも、改めて感謝だった。自分がここまで歩いてきたものが、意思や意図を含みつつ、もっと大いなる何かに導かれるように、自分の預かりしらない力や、関わる他者との相互作用によって、ある一瞬に結実していく。そうした人生の神秘的な美しさにじんわりと感動するような経験だった。


今回一緒に学年を組んでいる4人の教師は、それぞれ、いい具合にバラバラで、時に私は隣の席の先生と言い合い(周囲は笑っている)をしながら、それぞれの「こだわり」を出し合い、最後は、女性教師の意見に男性教師が「ひき」ながら、いい具合の調和になった(と思う)。一番わがままなのは末っ子の私で、そのわがままやこだわりを聴いてもらい、3人の先生にはありがとうの気持ちでいっぱい。


飛び6で上がり、半年を共に過ごしてきた子どもたちは、なんともユーモアあふれ、個性的で、いいエネルギーを持っている人たちで、わんぱくでのびやかでおおらかなアニマルっぷりを存分に発揮しており、私は彼らのダンスを見るのがとても好きだった。もう君たちの組体操が見られないことが残念だ、と、そう言ってしまうくらい、すてきに楽しいパフォーマンスを見せてくれた。新しい未来を見せてくれたのは、彼らだ。


いいワークショップというのは、学習者も先生(ファシリテーター)も、双方に学びがある、と言ったのは、インプロヴァイザーのShawn Kinlyだ。いい授業はまだまだ全然できないけれど、今回、私は彼らから、たくさんエネルギーをもらえ、学ぶことができ、幸せな時間だった。



MaxがTシャツにそえてくれた言葉。

"les souvenirs sont du vent, ils inventent les nuages."

思い出は風のよう、空にのぼって雲になる。小説に出てくる言葉なのだそう。


すてきなデザインをありがとう!Merci !!