支度

今日は、急なお誘いでお姉さんと京都で再会。
もうこのシーズンは最後だなって思いながら、薄紫のワンピースと麦わら帽子で出かけることにした。
伏見でランチ。その後、伏見稲荷へ。
3月の千葉以来。
その時は出なかった話題を、これまた色々お話する。
月があなたに微笑みますように。
いい時間でした。
人に言うことは、結局自分に言ってるんだよね。
何度も、その言葉をお互いにつぶやいて。
お互いを励まし、自分を励ますように。


夕方から22時前まで学校に行く。
誰もいない職員室で、気になっていた仕事を。
やることリストに3つしかやることが書かれていなくて、
あと何をしないといけないのか、よくわからなくなって、
帰ることにする。
5連休。
人の多いところは苦手。
だから、小さな予定を自分の可動の範囲で。
この安心感を、それはそれで愛している。
天気がいいので、お布団を干す。
今日は片付けは進まなかった。
そのかわり、衣替えのようなことをした。
涼しくなったなあ。
秋だなあ。
うれしいなあって思いながら。


もっと、もっと涼しくなっていいよ。
布で身を包みこみたい。
秋から冬に移り変わる絵本が大好きだった。
冬の支度をする動物たちは幸せそうで。


小さかった頃、弟と、毎日毎日飽きもせずごっこ遊びをした。
私たちのお気に入りは、リスごっこだった。
リスになって、色んなものを布団や机の下に溜め込んで、
幸せに包み込まれる。
満たされるということ。
安心ということ。
その感覚は、今につながっている。


そう。
こどもの頃、秋から冬にかけての時期は、幸せな季節だった。


ゆっくりと朝目覚め、おだやかな日が差し込む部屋の真ん中、
ストーブの前で毛布にくるまってアコースティックのクリスマスソングを聴いていると、
母が「山に蔓を取りに行こう」と誘う。
着替えて、母と秋の山に出かける。
秋の空気を吸い込みながら、美しい蔓を手にいれる。
蔓をとった帰りには、小さな家具屋さん、雑貨屋さんに立ち寄る。
私たちの生活を彩る雑貨を選ぶ。
帰ってからは、温かい飲みものを入れて、
居間で洗濯物をたたむ。
夜は、映画を見ながら彫刻をする。
隣では、母が仕事をしている。
真夜中には、マフラーをぎゅっと巻いて、犬の散歩に行く。
空いっぱいの星空の下、歌を歌いながら、かいくんに話しかけながら。
みんなが寝たのをたしかめて、私も眠る。


幸せな秋の記憶。



何度も、何度も、思い出す。
毎年のように、かみしめる。
記憶。
その記憶のおかげで、私は生きている。
秋を幸せに、生きられる。


支度をしよう。
片付けではなく、支度を。
衣替えではなく、支度を。