初秋という言葉を覚えたのは

朝から悪い夢を見る。教室の。
それで、約束の時間を過ぎて電話で起こされる。
朝寝坊。大遅刻。
ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーの先生でなくとも、
「悪い夢にうなされて起きることができませんでした」なんて理由では、許してはくれないだろう。
でも、悪い夢のせいで、寝坊することがたくさんある。


同僚に声をかけてもらい、中学校の体育祭へ。
色んなことを考えながら。
秋の空と雲が美しかった。
とんぼがたくさん飛んでいた。


それにしても、私の敵は太陽かもしれない。
日向にいると、疲れて眠くて仕方なくなる。


家の片付けが、全体の10パーセントくらい進んだ。
意味があるのは、片付け始められた、ということ。
明日の夜もしよう。


Toots Thielemans のAiregin かっこよすぎるー。
http://nhackhongloivn.com/album/1853/airegin-1996.html


2005年秋に何度も聴いた曲。踊り出さずにはいられない音楽。


大学寮のせまくて白い部屋。
ひとつしかない大きめの窓から入る夜風。
アメリカにいる友人たちと、深夜までMSN messengerでチャットをし、音楽を聴き、文章を書き。
自由だった。本当に。
自由だ、と感じていた。


今も十分に幸せだが、
もし、一度だけ過去に戻れるのなら、私は大学4年、22歳の秋に戻りたい。
表現も、創造も、自由も、夢も、愛も、自分への信頼も、人への信頼も、
すべてを一瞬、とらえたように錯覚した、あの美しい瞬間に。
長く、高く飛べた、あの瞬間に。
世界の広さと向き合うことができる、と確かに感じた、あの瞬間に。


秋になると、思い出すことがたくさんある。
かつて、その秋があったということが、私を支え続ける。
そういうこと。

ジュディマリ。『イロトリドリ ノ セカイ』
この曲で、「初秋」という言葉を覚えた。中学時代、ジュディマリや、YUKIから受けた影響ははかりしれない。今の私の言語感覚や世界の描き方、受け取り方、言葉の選び方のルーツの確かなたしかなひとつだと思う。

「色とりどりのガラスみたいな涙の美しさ
 さよならは初秋の風に流れて
 白と黒の記憶もいつか落ち葉に満たされ
 神のお気に召されるように」『イロトリドリ ノ セカイ』JUDY AND MARY


いろとりどりのせかい。
この秋は、どんな色に心奪われるだろうか。
パステルは、薄紫と水色が相変わらず減っていく。
洋服はグレー、紺、白、薄紫、ペパーミントグリーンが、相変わらずのループ。
淡い寒色だね。
ベージュに、少し手を伸ばしたくなっている。


明日はアートワーク。
何色を手に取り、どんな絵を描くのか。
未だわからない私に出会う、という、とても小さくて大きな喜び。