眠る垂直

4回目のアートワーク。
テーマは平衡感覚。

最初に垂直を描く。
紙を下にひっぱりながら、上へのエネルギーを持っていく。
赤のブロッククレヨンで、まるで、意思のように。強い色。そうありたい色を。
自分がまっすぐに立っている感覚は、わりとある。
最初は、心細い線も、何度もなぞれば、動きの中で芯が出てくる感じがある。
大地へのagainstのエネルギー。
血管のように、木のように。
赤くそびえ立つ垂直線を見ながら、寺山修司の詩を思い出す。

「一本の木にも流れている血がある。そこでは血は立ったまま眠っている。」(寺山修司


中学の時に教科書よりずっと熱心に読んだ国語便覧。
そこに載っていた寺山修司の写真は、私の叔父によく似ていて、なんだかこの人を知っている、という気がした。
私の生まれる数ヶ月前に亡くなった人。
とても関係ない人とは思えなかった。
そういう感覚は、またどこから生まれるかわからない、不思議なものだ。


さあ、出来上がった。
私の垂直。



その後、今度は、上から下に、霊的な力で"立たされている"感覚を。
流れ落ちる水のように。
こちらは、それほどのエネルギーを必要としない。
力を抜いていく感じ。

最後に平行線。

「空間の中に自分のエネルギーを満たす」という感覚だそう。
距離に関係なく、自分の意識を飛ばし、他者、異文化、果ては宇宙まで感覚を飛ばせる感覚。



その後、霊我とつながる自我感覚を描く。
メタファーとして描くと、いろんなことがすうっと見えてくる。