いつかこどもだったから

子どもの頃、『ひめちゃんのリボン』というマンガが、結構好きでした。

リボンをつけると、色々、魔法が使えるのです。

過去にいったり、未来にいったり。



もし、今、過去の自分に会いにいけるなら、教えてあげたい。

大人になっても、大丈夫って。

いつかこどもだったから。

わたしたちが、いつか、こどもだったから。

そのときは、こどもだったから、どうしようもなかったんだけど。

大人になることは、切なくて、罪深いような、何かを失ってしまいそうな、そんな気がしていたけれど。


今、なんとなく、わかる。

大人になることは、大人になることは、

賢くならずに、愚かになることかもしれない。

自立ではなくて、甘えることを学んでいくことかもしれなくて。

着るのではなく、脱いでいくことのようで。

あやふやで、もろくて、弱くて、いつまでも未完成な私。

だから、だれかと出会って、手をとりあえるということ。



あのとき、こどもだったから。帰る場所が見つからなくて、途方にくれるこどもだったから。

今、こうして大人になり、心をわけあえる。

大人になってよかったな。

いつか、こどもだったから。

あの頃の景色が、全部、今につながっていたんだね。



日本のサバンナ、み〜つけた。


“はっきりさせなくてもいい あやふやなまんまでいい

 ぼくたちは なんとなく しあわせになるんだ。” THE BLUE HEARTS 『夕暮れ』