昔々。
車に酔いやすかった。
だから、バスが苦手だった。マイクロ・バスのあの匂い。あの匂いを嗅いだだけで、吐きそうだった。
タクシーなんて、もってのほか。大嫌いな乗り物だった。
そして、ある人の車も。
でも、乗らなきゃならない。
遠足では。ピアノの遠出のレッスンでは。そして、ある人との外出のときには。
幼いながらに、私は、あの「匂い」から、身を守る方法を見つけた。
それは、鼻で息をしないことだ。
意識さえすれば、鼻をふさがなくても、鼻から匂いをかがずにいられることを発見したのだ。
最初は、かなり意識する必要があったが、次第に慣れて、乗り物に乗ると、自然と鼻の匂いを嗅ぐ機能を麻痺させ、降りると麻痺をやめることができるようになった。
でも、時々、間違えて、車内の空気を吸ってしまって、「うっ」と、匂いにやられて、気分が悪くなるサインを出してしまうこともあった。
ある人に、そのサインがばれてしまうことは、非常に気まずいことだった。
それは、その車が苦手だということで、私は、気分が悪いということで、それは、その人の気分を、大変害することだということは、幼い私にも、よくわかっていたから。
気付かれては、いけなかった。
なるべく、鼻を麻痺させて・・・感じないように。自分の身体をコントロールする。
相手の気分を害さないように。ある人と、私の関係を、平穏に保つために。そして、その人を傷つけないように。
もう、私はいい大人になって、ほとんど車には酔わなくなった。
でも、バスに乗るときも、タクシーに乗るときも、無意識のうちに、臭覚を麻痺させている。
だからかな・・・私は、匂いに鈍感だ。人が、匂いのことを言っていても、ピンと来ないことが、多々ある。自分で、自分の身体機能を退化させてしまったのだろうか。
そうしないと、生きていけない。
人間って、環境に適応させる力を、生まれながらに持っているんだな・・・改めて、思う。
同時に、身体は、自分が適応したくないものには、ちゃんと拒否反応が出る。
人の心も、同じだろうか。
生きにくさから、身を守るために、感じない心を手に入れようとする。
最近、寝ながら、歯磨きをする技を身につけました。
今では、歯磨き粉が、喉を逆流することもありません。
身体がおもしろい。人の習慣がおもしろい。
そして、自分がおもしろい。
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『教師インタビュー』を受けました。よかったら、読んでみてください。大阪教育大の大学生さん2人が、インタビュアーです。自分の話に耳を傾けてもらえるのは、有難いことだと思いました。
http://blog.canpan.info/interview/
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最近読んでいる本!!
シリーズ 明日の教室〈1〉教師の一日・一年―学級経営・基礎の基礎
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ついに発売されました!『明日の教室』の本です♪とっても丁寧に、きめ細かく教師の生活が描かれていて、学ぶところがいっぱいです。ハウツー本でなく、「スキル」の裏の理念が、しっかり伝わる内容だと思います。また、実際の学校現場が、非常にイメージしやすい構成になっていると思います。2巻から5巻も、順に発売されるので、みなさん、是非、ご購入くださいね♪学校図書として、おすすめです!
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とってもおもしろいです。即興劇の手法を取り入れた、環境教育について。こんなふうに学べば、ただ単に、知識を蓄積するだけでなく、創造的に学べるのだな〜と、感激しながら読んでいます。
著者の武田富美子さんは、この春から、立命館大学の准教授になられたそうです。是非、ワークショップがあったら受けてみたいと思います!
- 作者: 上野千鶴子
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大学4年の、採用試験前に読んでいた本を文庫で見つけたので、再読です。おもしろいです。パワフルで知的な女性が、私は、好き!
居場所のない子どもたち―アダルト・チルドレンの魂にふれる (岩波現代文庫)
- 作者: 鳥山敏子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2009/01/16
- メディア: 文庫
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今日、読み始めました。ゆっくり読み進めようと思います。