ぜんぶ、ぜんぶ、さいごです。
きょねんは、とりのこされるかなしみを、いっぱいあじわった。
でていくほうが、みらいがあって、うらやましかった。
じぶんが、でていくたちばになってみて、はじめて、こんなにたちさることがかなしいものかとかんじます。
このゆうひにみまもられて。
なんでも、かんでもはじめてだった。
はじめてのがっこう。
はじめてのたんにん。
はじめてのそつぎょうせい。
はじめての1ねんせい。
そして、はじめてのいどうです。
3ねんかんは、みじかいね。
よるのがっこうにしのびこんで、しごとをしたり、だんすをしたりしたこともあった。
たいてい、がっこうをでるのはさいご。
「あなたが、さいしゅうのたいかんしゃです。」と、せこむがいうのを、びくびくしながらきいた。
いえがふたつあるみたいだった。
ほんとうに、おせわになったよ。
なにから、なにまでかなしい。
ここでいきてきたから。
いきれば、いきるほど、かなしみがふえる。
そのかなしみをかんじられるのも、いきているから。
さいぼうにしみこんだ3ねんかんのきおく。
ひきさかれるような、たびだちのかなしみ。
であえたことが、すべて。
そう、じぶんにいいきかせて。
ありがとう、ひらもりしょうがっこう。
ありがとう、ここでであった、すべてのひとたち。
ここにくるために、そして、ここでたくさんのひとたちとであうために、
わたしは、うまれてきたのでした。
いっぱいの、いきてきたひびを、むねにしまって・・・
いま、たびだちのとき。