このとき、このばしょ、このけしき。

 うちのクラスは、1階で、すぐ庭に出られる。南向きで、日当たりがよく、ベランダは、とっても気持ちがいい。

 そのベランダに腰掛けるのが、うちのキッズのお気に入りだ。

 もう、そこにあるなら、腰掛けずにはいられない、という心地のよい場所。

 Sくんが、「ずっとここにいてたい」と言い出す。Yくんは、「ここで寝たい」と言って、寝転びだす。

 ひょんなことから、恋愛の話になって、年齢の話になって、赤ちゃんの話になる。

 1年生の発想は、どんどん飛んでおもしろい。みんなB型やなあ。

「なんで先生、花束もらったのに結婚せえへんの?花束かれるで!」と、真剣な顔で言うHちゃん。ブーケをもらっておきながら、結婚しないのが不思議らしい。ほんまに、おもしろい。

 「せんせい、見て〜!イルカいるで!」「りゅうおる〜!」「かぶとむしいる!」「あ〜、りゅうにイルカたべられた〜」・・・流れる雲を見ながら、延々と話しているのは、掃除のあと、またベランダに座り込んで、風に吹かれ、空を見上げる少年達。

 この席に座るのが、ほんまによう似合うんです。見とれる。ええ写真がとれるねん!

 私、子どもの写真を撮るのが好きで、いい顔がとれたときなんか、何回も観て、みとれて、満足している。

 この1年とりためた写真で、photostoryを創っていると、それをみたふくしろ先生が、「かわいいなあ。これは、親だけじゃなくて、教師のためにも、必要やなあ」と言ってくださる。

 ほんま、そうかも。子ども達への愛が増すもん。写真をとるという行為も、子どもを愛おしく思うがゆえの行為だし。

 行為に、思いがかきたてられる。そんなものでしょう。

 午後、雪が降り出す。

 窓の外を、雪が舞えば、「きっれ〜!」「ゆきや〜!」と、みんな、ベランダから外に飛び出してしまう・・・いつまでたっても、サヨナラの挨拶ができひん。1年生やなあ。感動と行動は、常に一心同体。

 「版画」を、拒んで全くやらないSちゃんに、今日居残りするように言ったら、

 「せっかく雪がつもっても、雪で遊べへんやん!」と、すごく、力強く反論して、私が目を離したすきに、「あした、のこるし〜」と言い残して、すたこら帰っていきました。

 所詮、教師の力なんて、雪の魅力の足元にも及びません。笑 そして、それでいいのだと思います。

 私の想像を超えたところで、豊かに成長する彼らがとても頼もしく、愛おしい日々です。

 しかしながら、意図したふうには、ちっとも成長してくれないので、そこがもどかしいのが、親心です。

 まあ、私も、そうだったし、人の心は、そんなふうに操れないもので、むしろ、操るなんて、おこがましいもので・・・

 なかなかたくましく育った彼ら。もうすぐ2年生だね。

 チューリップの芽も、ずいぶん大きくなりました。