うちの学校の地域の『ふるさとまつり』というおまつりの日。私の勤務する小学校を使って行われる。
中国からの帰国家庭が多い地域でもあるので、水餃子も!おいしいのです!!
教職員も、餃子つくりのお手伝いをしたり、お餅をまるめたり・・・うどんにぜんざいに、黄粉もち・・・いろんな食べ物が無料でふるまわれます。地域の子どもからおじいちゃん・おばあちゃんまで、たくさんの人が来られる。
そんなおまつりに、私と今西先生が担当するダンスクラブの子ども達が、ダンスの発表をすることになっていました。
地域の方の前での取り組みは、ダンスクラブ創立3年目にして、今年度から始まりました。
1回目は、地域の敬老会『ほほえみの会』でのダンス発表。
そして、今回が2回目。
私は、地域の方へのダンスの発表は、とても意義深いと感じている。
なぜなら
子ども達にとっては、絶好のダンスの発表の機会。休みの日でもあるから、保護者の方にも見てもらえる。学校の中だけの活動に終わらせずに、学校外で発表することで、「自分達が楽しむ」という目標から、「地域の方に喜んでもらえる」という目標へと、自然と子ども達の気持ちが変わっていく。すると、踊り自体にも、その変化が現れ、質が向上する。
地域の方にとっては、未来の地域を担う子ども達が、主体的にまつりに参加するということは、とても嬉しいことだと思う。地域の方も、みんなで子ども達を守り、育てていきたいと思ってくださっているし、そうした思いから生まれた活動の中に、子ども達が身を置くというのは、両者にとって幸福なものであると思う。
子ども達は、地域に見守られながら、自分達のやりたいことで地域に貢献する。
地域の方は、子ども達を見守りながら、子ども達からエネルギーをもらう。
取り組みというのは、両者にとって、幸せなものであるべきだと思うし、そういう意味で、今回のダンスの出演は、願ってもないことだった。
そして、私が考えたことはもうひとつある。
この営みの中に、教師も参加できないか、ということ。
地域の方は、地域の子ども達が通う学校を、とても大切にしてくださっている。
地域に支えられて、学校はある。ならば、学校も地域に、何か貢献できないだろうか?
しかも、両者にとって、幸福な形で。
そして、ずっとやってみたかった、教職員ダンスチームと子ども達とのコラボレーション・ダンスをすることにした。
地域のおまつりを、子どもも教師も一緒になって盛り上げる!だって、私達学校の教職員にとっても、学校のある地域というのは、思い出がいっぱいつまって、かけがえのないふるさとであるのだから。
特に、私は、この学校のことは忘れられないと思う。
大学を卒業して、はじめて赴任した学校だ。色々問題が起こって、あちこち家庭訪問していると、色々、地域の方にも声をかけてもらった。
遅くまで一人で職員室に残っていて、やさしい励ましもいっぱいもらった。
・・・・
色んな思いが積み重なって、今回、『カネザイル』というチームを組んだ。踊るのは、「EXILE×KODA KUMI」の『Won't be long』ね。これは、2年前のダンスクラブで発表して以来、うちの学校で飲み会のあとに行くカラオケで、よく歌って踊る曲(笑)。
メンバーは、「龍踊り」を指導する日本語教室の4人の先生、李先生、金田先生、深田先生、千田先生の4人。それから、ダンスクラブの指導の今西先生と私の6人のチーム。
黒一点の金田先生と、ギャル5人のダンスを観て、教務の先生が、『カネザイル』と命名してくれた。ナイス・ネーミング!
そして、2日から6日までの、集中5日間の振り付け・練習で、見事、先生達は、ダンスをマスター!素晴らしい吸収力!つめこみ練習でごめんね。
☆☆☆
そして、むかえた8日の本番。
天気は最高の青空!ダンスクラブ初の野外公演だけど、超気持ちいい日で、幸せねえ!
出番は、トリということで、大観衆!子ども達が、「どうしよう〜」と、バクバクに緊張している。
1曲目は、ダンスクラブの子ども達だけのダンス。「Beautiful days」ね。ほんと、上手になりました。立派なもんだ!大観衆からのあったかい拍手。うれしいやろうな、気持ちいいやろうな、よかったねえ!
そして、教師ダンスチームの『カネザイル』と子ども達のコラボレーション♪
音楽がなったとたん、すごく、湧く。そして、金田先生が、おもしろサングラスと、いつもとちょっと違ったスタイルで登場して、更に湧く。子どもが、いつもと違う金田先生を、携帯のカメラでパシャパシャとっている・・・笑
そして、ダンスが始まって、歓声までもらう。
ほんま、地域のみなさん、先生達、盛り上げてもらって、ありがとうございます!みなさんの熱気とエネルギーをいっぱいいただいて、めっちゃ楽しく踊れました。
こんなに盛り上がるとは思っていなくて、本当にありがたかった。
一緒に踊った先生達も、「楽しかった!」と言ってくれて、すごく嬉しかった!子ども達も、教師と踊ると、安心して、楽しめている感じがする。
ああああああああああああああ!
本当に、幸せな一日でした。
中学生の頃にね、吹奏楽部のとき・・・N先生が、打楽器のパートの人員が足りなくて、舞台に立ったんだよね。
それを見たうちの母が、こう言ったの。
「N先生が舞台に立つのおかしいわ。先生があんなに楽しそうに大太鼓たたくなんて・・・」と、呆れていった。
私は、反発した。
そう?ええやん。先生が一緒に舞台に立ったって!教師は裏方でないと、かっこ悪いんか?
中学生ながらにそう思った。私は、先生とも一緒にやりたかったし、そうしてくれる先生が好きやった。別に、うちらだけにスポットライトあたらんかってもええし・・・そう思った。
高校生になったときも、母は別の先生に対してう言って、私は反発した。
今、私が教師になって、時々、自分で自分にそういってみる。
「教師が子どもと一緒に舞台に立つなんておかしいんちゃう?子どもが目立つべき場所やのに・・・」
常に、そう問いかけながら、やっている。そう思う人もいるやろうし・・・。
でも、私は、子どもも教師も、一緒になって何かを創りたいんや。そうすることに、すごく意味があると思う。
教師は裏方で、子どもが主役。これは、今までの学校のあり方なんだろうけど、こういう関係になると、教師は指導者、子どもは、指導される側・・・になると思う。
ちょっと話はずれるけど、図工の授業で、教師も一緒に創ったほうが、子どもも教師も一緒にクリエイティブになれてええねん。
音楽の授業も、一緒に歌ったほうが、一体感があって、ええねん。
指導力がある人なら、そんなことはしないんだろうけど、私は、指導力はないので、子ども達が、楽しそうに活動するほうを選ぶ。選ぶなら、私も、その活動を一緒に楽しんで、一緒に創作を楽しんでしまう。
・・・・・
まあ、そんなもろもろの思いがあっての今回のダンス。
今日の題の「惑」は、すなわち戸惑いです。
私が何かをしたい、と思うとき、常に、口に出せない戸惑いがいっぱいある。でも、それにとらわれていては、新しいことができないから、不安だけど、やってみる。
今回、一緒に踊った先生達も、多分、すごく戸惑いもあったし、先生達、楽しんでくれてるかな?という不安もいっぱいあった。
でも、本番を終えて、やってよかった、と心から思えました。
ほっと一息。
思いを形にする。
なかなか難しいことだけど、やっぱり、とっても刺激的で楽しいこと!
だからこそ、学びもいっぱいある!
共に何かを創る。
子ども達にも大切な経験は、教師にとっても大切な経験であると思うのです。
教員同士のチーム力や、クリエイティビティーを育もうと思ったら、こうして、創作活動に取り組むのが一番なんやろうな・・・と思ったり。
とにかく、素敵な一日でした。
ダンスクラブの子ども達、『カネザイル』の先生達、地域の皆様、本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました!!!」