WEST SIDE STORY

 WEST SIDE STORY。このフレーズを聞いただけで、いてもたってもいられない。かの有名なミュージカルが、私は大好きだ。

 中学の頃にTonightを聞き、ほれぼれしたのがはじまり。

 高校の頃、マーチングで、ウエストサイド物語の舞台をやって、ばっちりハートに火がついた。映画を観て、ダンスシーンにぞくぞくし、いつかこのダンスを踊りたいと思った。マーチングでは、ずっとパーカッションだったからね。

 で、大学。アメリカ留学のときの、目標のひとつが、「アメリカでミュージカルに出ること」だった。今思えば、なんとも無謀な夢を抱いていたな、と思うのだけど、それは本当になった。

 市民ミュージカルで、ウエストサイドをやるっていうチラシを見て、応募するっきゃない!と思って、オーディションに参加。英語の歌を歌う自信はないから、「ドレミの歌」を日本語で歌ったら、なぜか大うけ。ダンスには自信があったから、ばっちりアピール。

 受かったときは、ほんまうれしかったな〜。プエルトリコ系の女の子役。シャーク団と一緒に、歌い、踊ったわ。

 アメリカにマンボ。大好きなミュージカルを、本場アメリカで、アメリカ人と舞台に立てるっていうのが、本当に夢みたいで、今思い出しても夢みたい。すごく素敵な時間だった。

 舞台袖から、Tonightで、ジェット団、シャーク団、アニータ、そしてマリアやトニーが歌う姿を眺めてたんだ。本番、スポットライトを浴びて、歌う彼らをみて、やっぱり、ステージの上は、魔法の空間だと思った。一瞬にして、永遠。輝ける場。

 この世界にいたい。そう思ったな〜。

 で、今日。

 劇団四季京都劇場でウエストサイドをやっているのはしっていたものの、なんとなく行こう!という気にならなくて、というか、そういう気持ちに迫られなくて、行かないままでいた。

 でも、もうすぐ千秋楽となると、いてもたってもいられなくて、いつものごとく、思い立ったら即行動で、チケットをおとといとって、今夜観にいってきた。

 みなれたアメリカ版とは違うから、違和感も多々あったけど、音楽の素晴らしさ、振り付け・舞台構成の素晴らしさに感動した。

 レナード・バーンスタインの音楽が、本当に素晴らしい。

 ダンスのために、作られた音楽。音楽のために、作られたダンス。どちらともいえるくらい、二つのつながりが強固で、見てて、体がうずいて仕方なかった。

 ストーリーも、わかっているけど、台詞もわかっているけど、どきどきしちゃうんだな。

 あ〜、私も、舞台の上の空間にいたい!

 アメリカでのミュージカルと、高校でのマーチングの思い出をだぶらせながらの3時間鑑賞。

 いえ、もう、それは、感傷です。

 喜びも、感動も、時がたてば、ちょっと痛い。切なくて。

 でも、その時々で、やりたいことはやってるから、後悔はないんだけどね。

 ああ、でも、ウエストサイドは、一生でも、踊り続けたいよ。

 そう思いながら、サントラ聞きつつ、車を走らせる。

 人の心に灯をともすことのできるもの。

 それこそ、最高の教師。

 音楽、舞台がプレゼントしてくれるものは、果てしないよ。