岩橋由莉さんのワークショップは、音楽がその世界をつくりはじめる。
内面へ向かう時間を、これほどまでに私が欲し、からだもこころも喜ぶことを、
思い知らされながら。
あなたを守るものを、書いてと。
書いた紙を、ちぎり、ちぎり、それを壁面や自分自身に身につけていくこと。
インスタレーション。配置すること、空間を構成することに自分自身が身を投じること。
その行為の中に巡る感情、私は、生きている、と思った。
行為の中に感情が生まれ、行為の中に自分が生まれ。
出来上がったものに意味があるとか、美しいとか、そんなことではなく、
その、行為の中の感情の巡りしか、信じられるものなどない、というような。
そして、バックに流れるピアノとチェロが、その巡りを促してゆく。
幸せな時間だった。
終わってすぐに、アルバムの名前を教えてもらう。
こうして、偶然にすてきな音楽と出会うことは、人との出会いと同じようにうれしい。
お店でも、かかっている曲が気に入ったら、必ず尋ねる。
そうしてあたらしい音楽と出会うことって、結構ある。
- アーティスト: Ketil Bjornstad & Henryson
- 出版社/メーカー: Ecm Records
- 発売日: 2011/03/29
- メディア: CD
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Night Song
夜を守ってくれる気がする。
「聴く」
「存在する」
ということがテーマだった。
行きも帰りも車中で、タテタカコの「追憶」を聞きながら、
演劇の中では、ひきがねをひくことさえ、できると思う。
ただ、そうすることだけでもって、浄化されるのであれば。
春のような日だった。
いくつも、戻りたい日、戻りたい季節がフラッシュバックしてくるような感じの日々だ。
戻ったとして、そこには何もないのに。
それでも、どうして、過去に戻りたいだなんて思うんだろう。
それは、音楽の持つ記憶のせいだ。
音楽は、私を騙そうとしている。
そう、今年はいわさきちひろミュージアムに行こうと思う。
去年、いきそびれたままだから。
十代の頃、彼女の描いた、悲しそうな人形姫の絵が好きだった。
エッセイも、本棚に大事にしまっている。
今日、絵を見た人が、「いわさきちひろみたい」って言って、そうだ、この人の影響だって思った。
横顔を描くことが好きなのは、いわさきちひろの影響。
ノートに、横顔ばっかり描いてたな。
横顔。
そう、横顔。