不可逆

giftのような1週間。
普段見ることのできない物を、
そっと見せてもらえるような、
そんなgift。



あるいは、
ずっと見えないと思っていたもの、
存在しないと思っていたものが、
ぱっと目の前に現れるような、
そんなgift。



先日のライブで1枚のアルバムを買った。
タテタカコ「人(ヒト)」
ずっと聴く。




「眠る街」。
せまってくる歌声。





ひとつの音楽に出会うと、出会う前の自分にはもう戻れないと思う。




ある曲、数ヶ月前に聴いて、後半があまり気に入らないな…と思って、
後半を聴かないようにしていたけれど、数ヶ月たつと、耳に馴染んで、特に違和感もなくなった。
それは、少し残念なこと。
私の「きらい」も、その程度。
ちゃんと取り込んでしまう。


中学2年の時、ジュディマリの Miracle Diving。
最初は、全然ピンとこなかったのに、
何度も聴いているうちに、「あれ、こんなにいい曲だったのか!」と驚いたり。
ジュディマリの曲は、そういう感動が多かった。
いきなり、「いい!」とはならず。
その頃に比べると、自分の気に入る音楽を見つけるペースは、すごく速くなった。




音楽は出会いの比喩。



絵とも小説ともダンスともお芝居とも映画とも違う経験。
知らなかった頃には、戻れない。
そして、何度も出会い直す。


流れていく時間に、
時に覆いかぶさるように。
時に導くように。



3カ月後には、どんな音楽を聴いているだろう。
こころを奪っていくような音楽に、
いつでも会いたいと願っている。
今は、タテさん。
しばらく、十分に満たされるだろう。