みるみる

 自分の詩がのった通信を、飛び跳ねて、目をくりくりさせて喜ぶ君をみる。

 彼女は、「ぼく」というすてきな本をほこらしげにつくった。

 通信や初見を読んだ人からは、子どものこと、よく見ているねって、言われるけれど、

 そうじゃないことは、自分が一番よく分かっている。

 よく見ているように、書けるだけだ、と思う。

 あるいは、書くことが、見ないままに見るという行為の一部。

 その子を思う。思い出す。そういう「みる」。

 私は、半分くらい、この世というよりは、想像の中で生きていると思う。