接続詞の連れてくる未来

Yuka-QP2015-01-14

三連休明け。

「先生、土日のスピーチしよう。あのこと、話したいねん。」

週明けには、週末の出来事を一人ずつ話すことが多い。すると、こうして、「予約」が入る。時間もそれなりにかかるので、どうしようかな、と思ったりすることもあるのだけれど、誰か一人から「予約」が入ると、それは、私の中で「決定」になる。子どもから出て来るオファーを、優柔不断な私はとても頼りにしている。

彼らは、話したいのだ。自分の土日のことを。
エッセンスを凝縮して、笑いも入れながら、上手に、楽しそうに話すな、と思う。話す時には、シロクマちゃんが手渡されていく。32人の楽しかったり、つまらなかったり、うれしかったり、悔しかったりする週末のストーリーを、シロクマちゃんがリレーする。

最後に私が話す。友人が事務所を作っていて、そこに、すてきな花屋さんで見つけたユッカ・エレファンティペス(青年の木)をプレゼントしたことを話した。「事務所?芸能人?すげー」らしい。そういうことにしとく。

国語。物語づくり。

高尾さんのワークショップで教えていただいたインプロのエクササイズ「インスタント物語の素」でお話づくりのウォームアップ。

●インスタント物語の素<2人組>
※「・・・」の部分を埋めていくと物語ができあがる。
1「むかしむかし・・・」
2「毎日毎日・・・」
3「ところがある日・・・」
4「そのせいで/そのために・・・」(3〜5回くらい繰り返す)
5「そしてついには・・・」
6「その日以来・・・」
7「教訓・・・」

教室の前方にイスを二つ置き、希望者の女の子と私で、まずやってみる。
次に、男の子と私でやってみる。

どちらも、お話がいわゆる「得意」な、おしゃべりな子ではなかったのだけど、このエクササイズの強度の強さが発揮されたというか、おもしろいお話の展開になり、聴いている子どもたちが興奮して聴いてくれ、終わると、自然に拍手が出た。なんてことはない、30秒くらいの即興のストーリーメイキングなのだけれども。今回は、7はカットした。

その後、机が隣同士のペアでワーク。
そこここで、楽しそうな表情。
手遊びでは、うまくいかない様子が見られた男女ペアも、二人とも身を乗り出して話している。

一人一文ずつ、という均等な機会。相手の言ったことをいかしながら即興でつむがれるお話はわくわくと楽しい。
昔話やファンタジー等、これまで味わってきた物語の「型」や、彼らのカルチャー、遊びが自然な形であらわれてくるのも、おもしろい。

特に、このワークは、接続詞がキーになっている。
接続詞が連れて来る未来というのがある。
記憶や経験に横たわるアイデアが、誘われる。

私は接続詞がもともと好きだけど、このワークで、もっともっと好きになった。
イデアなんて、なくてもいい。
その接続詞を、言ってみるのだ。
すると、しゅるるっと、お話が出来てしまう。
努力なんていらない。
その接続詞を、知っていたらいいと思う。

学ぶことも、人生も…接続詞を知っていることは、助けになると思うんだ。

さて。

「おもしろいお話が出来たペア?」と尋ねると、たくさん手が挙がる。そのうち、1ペアに前で再話してもらう。みんなでげらげら笑いながら聴く。

図工のお話の絵で読んだ「メリサンド姫」の影響なども垣間みられて、おもしろかった。

その後、自分の作りたい物語の題材のアイデアをワークシートに書き込んでいく。
ファンタジー作品にする子、戦争の話を書く子、近未来、大昔のお話、学校の日常…様々。

たった6ページの小さな絵本。
どんなお話、できるかな。





シングルベルモ。
花言葉「集う喜び」