くちなし香る小道をとおって

 ファンタジー作品のブックトークをする、というテーマで学習が進む。
子どもの頃に読んだ作品やら、昔見た映画にあれこれと再会しながら、私もファンタジーの世界へ。作品を読み比べながら話すことの楽しいことといったら。

 鴨川沿いに、クチナシの咲く小道を見つけた。木陰の緑と花の白。たちこめる甘い香り。金木犀の匂いとともに、その季節の記憶を幸福にする香りだ。この夏のこの道を、この後何度も思い出すだろうな、と思う。何かファンタジー文学の主人公になったような心地で歩く道。

 クチナシの香りで胸をいっぱいにしながら向かう先、川のほとりのカフェは、静かで、居心地のいいカフェで、立ち寄らずにはいられない。2階にはタイ・ラオス料理。
大きな窓からは川の流れが見えて、優しいギターの調べが店内に流れていて。

 隠れ家がある、とか、逃げる場所がある、とか、そういうことって本当にだいじだと思う。

 そういう場所にめぐり会えるのは、たいていの場合、調子がよくない時期。
何かネガティブなものを抱えるファンタジーの主人公に不思議な出来事が訪れるように。
生きることは、うまくできているのだな、と思う。

 東京へ。シュタイナー展をみにいく。

 シュタイナー。バレエ。アロマ。ファンタジー。クレヨン。水色のもの。子どもたちの歌声。

 今の私を明日へとつなぎとめているものたち。