ひかり

書きたいことがたくさんある。
でも、言葉にしない間に、埋もれていく。
何かを今夜のうちに、言い残しておきたくて、PCの画面から離れることができない。
さて、どの出来事を書こうか。
とある歌集が、今すぐ手元にほしいのだけれど、見当たらない。

冬の日差しは、白くまぶしい。
クラスの子が、連絡帳に年賀状を送るために住所を書き合いながら、
「ああ、こういうのしてると、年末って感じやわ〜」だって。
繰り返される行為の中に感じる季節。

書きたいことがたくさんあるけど、
何を書いていいのか、決めかねて
こんなことが書きたかったかはわからないけれど、
とりあえず、何か書けたから今夜は寝ようと、
そんなふうに更けていく夜。

かつてクラスにいたあの子のことを考える。
やさしい、やさしい子だった。そして、言いたいことを、言えずにいる子だったかもしれない。

吉野弘の「夕焼け」という詩の一節を思い出す。

“やさしい心の持主は
いつでもどこでも
われにもあらず受難者となる。”

私も、あの子に難を授けた一人だっただろう。
そのことを、どんなふうに整理していいのか、未だわからない。

今願うことは、あの子に希望が灯ること。
そして、いつか、あの子の敵を、あの子がゆるし、愛せること。
幸せになってね、と遠くで祈る。