瞬間と永遠。

 ソファにもたれると、ちょうど、窓から月が見える。なんて、贅沢。雲間からのぞく月は、静かで、美しい。




 夏休みは、映画を、いっぱい観る!と思っていたので、観たい映画を書き出してみる。今のとこ、まだ3本。4本目は、『初恋』。

 観終わって、もう、頭の中が、ぐちゃぐちゃになりそうなくらい、処理できない感情がうずまいています。

 喪失感、というのは、こういうふうに、伝わるのかなあ。

 私は、60〜70年代が描かれている映画が大好きなので、そういう意味でも、引き込まれました。

 描かれた街、時代の空気、部屋の温度、人と人の距離感…

 ある意味、インスタントな現代では、描くことのできない『初恋』だと思います。

 会えない。会えないといったら、会えない。

 会うための手段もない。

 出会ってしまったときから、別れは始まっている。

 喪失感というのは、手に入れた人だけが、味わえる感情。感じることが、使命。

 でも、つらい。果てしなく、切ない。

 宮崎あおいさんは、やっぱり素敵。少女と、女性を、演じられる人。

 小出恵介さんは、全く興味がなかったけど、この役演じる彼は、すごく魅力的だと思う。

 昔の俳優さんは、味があって、かっこいいし、昔の女優さんは、品があって、きれい。でも、そういう感じが、2人とも出ていて、よかったです。

 語らない、というのは、魅力的だと思います。

 映画を観終わって、ある詩を思い出しました。

 銀色夏生さんの詩です。

 『愛のはじまりを予感するとき』

 よかったら、探してみてください。

 瞬間と永遠について、考えさせられます。