Night Song

岩橋由莉さんのワークショップは、音楽がその世界をつくりはじめる。
内面へ向かう時間を、これほどまでに私が欲し、からだもこころも喜ぶことを、
思い知らされながら。
あなたを守るものを、書いてと。
書いた紙を、ちぎり、ちぎり、それを壁面や自分自身に身につけていくこと。
インスタレーション。配置すること、空間を構成することに自分自身が身を投じること。
その行為の中に巡る感情、私は、生きている、と思った。
行為の中に感情が生まれ、行為の中に自分が生まれ。
出来上がったものに意味があるとか、美しいとか、そんなことではなく、
その、行為の中の感情の巡りしか、信じられるものなどない、というような。


そして、バックに流れるピアノとチェロが、その巡りを促してゆく。
幸せな時間だった。
終わってすぐに、アルバムの名前を教えてもらう。
こうして、偶然にすてきな音楽と出会うことは、人との出会いと同じようにうれしい。
お店でも、かかっている曲が気に入ったら、必ず尋ねる。
そうしてあたらしい音楽と出会うことって、結構ある。

Night Song

Night Song

Night Song 

夜を守ってくれる気がする。


「聴く」
「存在する」
ということがテーマだった。





行きも帰りも車中で、タテタカコの「追憶」を聞きながら、
演劇の中では、ひきがねをひくことさえ、できると思う。
ただ、そうすることだけでもって、浄化されるのであれば。


春のような日だった。
いくつも、戻りたい日、戻りたい季節がフラッシュバックしてくるような感じの日々だ。
戻ったとして、そこには何もないのに。
それでも、どうして、過去に戻りたいだなんて思うんだろう。
それは、音楽の持つ記憶のせいだ。
音楽は、私を騙そうとしている。



そう、今年はいわさきちひろミュージアムに行こうと思う。
去年、いきそびれたままだから。
十代の頃、彼女の描いた、悲しそうな人形姫の絵が好きだった。
エッセイも、本棚に大事にしまっている。
今日、絵を見た人が、「いわさきちひろみたい」って言って、そうだ、この人の影響だって思った。
横顔を描くことが好きなのは、いわさきちひろの影響。
ノートに、横顔ばっかり描いてたな。
横顔。
そう、横顔。