ぐるぐるぐる。
小さな頃からずっと巻き巻きになっている。
この巻き巻きは、自分から始まって、自分を巻きつけ、自分に戻る。
この巻き巻きのほどき方を、時々忘れてしまう。
巻き巻きのぐるぐる。
好きな色を着ている時は、ほんの少し、そのぐるぐるから自由になれる。
踊っている時も、音楽を聴いている時も、小説に涙ぐむ時も。
自由になることは、本当に大変だ。
私は、少女だった頃から、ずっとずっと同じ迷路をぐるぐると歩き続けている。
遠くに行ったように思えても、いつまでも、同じ場所に戻ってきている。
遠くに行けたはずなのに。
どうして、離れられない?
いつになったらこの迷路から出られるんだろう。
「しなやかで、陽気で、はかない」
江國さんの小説に出てくる女性に惹かれる。
彼女たちも、こんなふうに、ぐるぐるまきなんだろうか。
そんなふうではない人ばかりだ。
めぐりめぐって本田美奈子さんの歌ばかり聴く。
さくらの季節に。
声に、姿に、うっとり。
小さな女の子を飼っている。
自分の中に。
もう少し、大人になってほしい。
どうしたって、こう、成長しないままなんだろう。
紅の豚のマダム・ジーナの歌う「さくらんぼの実る頃」も好きだった。
ジーナ。
オードリー・ヘップバーン。
ジーン・セバーグ。
憧れの女性がたくさんいた。
年々、希望を描くことが下手になるけれど、憧れの女性を胸に置いていたい。
今週末は、映画を観よう。