絵葉書
探し物の途中で、昔書いた文章ファイルを見つける。
「徒然草」と題したその ファイルには、約3ヵ月の出来事がわりと丁寧に記録されている。読んでいて恥ずかしくなるような赤裸々な内容もあれば、思わず涙ぐんでしまう部分もある。あれから、随分と時が経った。あの頃の私は、今の自分がこんなふうな心持ちでこの文章を読み返しているとは想像もしていない。ただ、必死に、毎日を生きていた。そして私は、あの頃と同じ音楽を今日も聴いている。
探し当てた絵葉書を飾る。
いつかの私を励ましてくれた外国からのたより。
返事も書かないまま、何年も過ぎた。
気づけばパスポートの期限が切れていた。
更新に行こう。
行ってみたい場所があるから。